Written by admin on 2010 年 7 月 22 日 – 4:05 PM
日本の多くの女性は、レディ・ファーストに徹している欧米の男性が素晴らしいと言います。しかし、多くのアメリカ人女性は、そんなことは全く望んでいません。
アメリカでビジネスマンをしている時、日本人だからしょうがないと後ろ指を指されないように、レディ・ファーストを心がけました。しかしながら、時として忘れ、一番最初にエレベーターを降りることがありました。勿論、謝るのですが、そんな時彼女達に言われました。「あなたが、常に仕事のことを考えているのは良く分かる。謝る必要はない。私達が男性に求めているのは、ドアーを押さえてくれるだとか、椅子を引いてくれるとか、私達が座るまで立っている等というくだらないことではありません。私達の言うことにチャンと耳を傾けて欲しいということなのです。何か話をすると男性は、『分かった』と言って直ぐに話をそらしてしまいます」。
そこで、男性社員に訊きました。「何故、ジックリと女性の話を聞かないの?」答えて曰く「女性は、自分の言い分が通らないと、直ぐに泣き叫ぶ。そんなことになったら、自分の会社での地位が危うくなる。だから、女性とジックリ話すことを避けるのさ」。まぁ、どっちの言い分も分かりします。
アメリカの女性は、本当にガッツがあると思います。女優さんでもやっていけると思えるような美しい女性が肉体作業をしているシーンを何度も見かけました。例えば、重い削岩機を使って、道路のコンクリートを破壊しているのです。こういう女性が男女同権を主張するのであれば、素直に聞けると思います。
パリにいた時です。日本から、ファックスやテレックスが届いていないか心配になり、朝の5時に会社に行ったことがあります。当時はパソコンが発達していなかったので、Eメールなんて無かったのです。そうしたら、ナンバー3のマダム・シモーヌという人に会いました。ニコニコしながら「お早うございます」と挨拶したら「私がこんな朝早く出社することはおかしいですか?」と言われました。「いいえ、微笑んでいるだけですよ」。「アドバイスしたいことがあるので、後で私の部屋に来てください」と言われました。
仕事を終え、彼女の部屋に行くと自分の身の上話を始めました。「私が、何故こんなに早く出社するかと言うと、自分の仕事を処理するためです。朝8時半を過ぎると世界中から電話が掛かってきて、自分の仕事が出来なくなるのです」。そういえば、小生も東京事務所に午後6時頃までいると、パリから電話が掛かってきて、午後11時頃まで帰れないことが多々ありました。「トシ、あなたがここの人間と議論しているのを良く見かけますが、出来たら避けたほうが賢明です。あなたの言い分が通れば良いのですが、それは期待できません。フランス人の私でも、女がフランス社会で上手くやっていくのは、本当に大変なのです。発言も慎重を要します。男並みに発言すると、あっという間に潰されてしまいます。あなたは、日本人です。無駄な議論はやめて、利口に振舞うことを考えなさい」と親身になって心配してくれました。どうやら、パリにも真のレディ・ファーストはないのです。
アメリカにもマダム・シモーヌのような女性がいました。ある時、ジョージという男のような名前で呼ばれていたこの人が、各地の営業マンを集めて講義をすることになりました。講義の途中で喧々諤々の議論が始まってしまいました。すると、彼女は何にも言わずに、部屋の隅に行ってしまいました。それで彼女の側に行き「何で何にも言わないの?」と訊きますと「アメリカでは男性がこういう状態になった時は、女の私が何を言っても無駄です。場がおさまるのを待つのが賢明なのです」。その後、マダム・シモーヌが言ったと同じことを言いました。勿論、アメリカにも真のレディ・ファーストはないのです。
